自由教育実践校と不登校のかかわりに関する研究 : 私立A中学・高校の教員を対象として
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概要
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本研究では、自由教育の実践校であり、不登校問題が社会的に広く知られる以前から多くの不登校生徒を受け入れ、教育に当たってきた私立A中学・高校の教員の不登校生徒へのかかわりに焦点を当てた。自由教育が、不登校生徒及び多くの不登校生徒とかかわる教員自身にとってどのような意義や課題があるのかを明らかにすることを目的とした。不登校生徒の成長や回復には、自由教育の理念や校風そのものが大きく寄与していることが示唆された。また、そこでの教員と生徒、生徒同士の人間関係も生徒の回復、成長を促進していることが推測された。しかし、元来不登校生徒に特化した学校ではないため、学習支援・保障という点では限界が見られた。他方、教員が不登校生徒へかかわることで、過重な負担感や時に無力感をも感じることがあるものの、人間、教育、学校等について深く省察する機会になっており、実践への意欲や希望につながっていることも示された。
- 2011-02-28