ヒトは「笑い」から何を思うのか : 「笑い」のイメージに関する検討
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概要
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笑いは、協調性と攻撃性という二面性をもっている。本研究の目的は、二面性のある「笑い」に対し、ヒトがどのようなイメージを抱いているのかを明らかにすることである。幼児期以降、笑いには攻撃的側面があることを経験により学習してきた大学生を対象に、「笑い」から思い浮かべる言葉と不快な笑いの経験を尋ねた質問紙調査を実施した。その結果、5割以上の者が不快な笑いの経験をしており、経験した時期として中高生時代を挙げる者が多かった。不快な笑いのエピソードには、日常生活の中で誰にでも起こり得るようなエピソードだけでなく、いじめにもつながるエピソードもあった。しかし、不快な笑いの経験の有無にかかわらず、「笑い」について否定的な言葉を挙げる者は1割未満であった。ヒトは、笑いに含まれる攻撃性を感じる経験を通して、「笑い」に対してポジティブなイメージを抱いていることが示唆された。
- 2011-07-23