日本近代文学の中の十勝
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
十勝が近代日本文学史の中でどのように描かれているかについて、先行文献を踏まえ年代順に記述する。明治時代に十勝を訪れた岩野泡鳴、徳富蘆花の足跡をたどり、佐藤春夫の動向について述べる。時代は下り、北海道旅行の途中に十勝を訪れた文学者の作品にふれる。中では、久保栄が戯曲「火山灰地」取材のために帯広、音更を訪れたことは、日本文学に十勝があらわれる契機となった。戦後は疎開者である福永武彦が帯広を舞台にした作品群によって文学的飛躍をとげた。十勝生まれの上西晴治が十勝を舞台にしてアイヌの物語を書きつづけ、大作「十勝平野」を完成させたことは、北海道にとっても日本にとっても大きな収穫であった。農民文学賞が十勝から二人も受賞したことも収穫であった。帯広の「市民文芸」から多くの書き手がそだったことも特筆される。
- 2011-03-31
著者
関連論文
- 日韓併合百年
- 「ケータイ小説コンテスト」実施報告
- 和田芳英『ロシア文学者昇曙夢&芥川龍之介論考』
- 日本近代文学の中の十勝
- 朝鮮版「緑旗」について
- 朝鮮版「国民文学」について
- 戦時下の朝鮮文学界と日本 : 「内鮮一体」について
- 太平洋戦争下の少年雑誌ー月刊『海軍』細目ー
- 文学における北方性
- 新構想・北海道文学史
- 医学と文学の交錯
- がんと文学-「告知」の問題-
- 『近代文学研究叢書』終刊に寄せて (特集『近代文学研究叢書』完結)
- 大正期の北海道文学