東京湾産オオシロピンノの第1期ゾエアについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1976年7月,横浜市金沢区の野島海岸でムラサキイガイの外套腔よりオオシロピンノの抱卵した雌を採集した。実験室で孵化させ,その第1期ゾエアを観察するとともに,既に報告されている日本産カクレガニ科Pinnotheres属のP.latissimus BURGER(?=P.parvulus STIMPSON)とクロピンノP.boninensis STIMPSONの2種の第1期ゾエアとの比較を行った。本幼生は甲殻は丸く,側棘や背棘を欠く。第2触角はD型。第1小顎の内肢は2節で,その先端に4本の剛毛を有する。尾節はF型などの特徴を備え,これらの形態は上述の2種の幼生の形態ともよく一致する。本幼生と他の2種の幼生とは次の点で識別することができる。1.P.latissimusと比較して,本幼生は第1,第2顎脚の内肢の刺毛配列が僅かに相違する(表1)。2.クロピンノと比較して,本幼生は,甲殼背面滑めらかで,疣状突起や小円状の浅い窪みを欠く。
著者
関連論文
- 北海道沖で得た白化のベニズワイガニ
- 台湾の2魚市場で見られた食用甲殻類
- 真鶴産カニ類数種のメガロパ幼生
- 駿河湾の流れ藻から採集したカニ類及びカニダマシ類のメガロパ幼生(予報)
- 小田原利光先生との想い出(小田原利光先生追悼文)
- 小田原利光先生を偲んで(小田原利光先生追悼文)
- 男鹿半島沖で得た3種のエンコウガニ類
- 『続"越前かに"の世界-その生活史と生態-』, 福井県水産試験場 編集, 福井県, A5版, 53pp, 1998.3.(カニに関する図書の紹介)
- 『三河湾・遠州灘産海産蟹類目録』, 中島徳男著, B5版, 40pp., 27pls, 1997(カニに関する図書の紹介)
- チチュウカイミドリガニが東京湾で発見されたのはいつか
- 小田原利光先生紺綬褒賞を受賞
- 甲殻類の図書紹介
- ケフサヒライソモドキPtychognathus barbatus(A.MILNE-EDWARDS)(Grapsidae)の後期幼生
- 相模湾で漁獲されたアオガニCallinectes sapidus RATHBUNについて
- 『"越前がに"の世界 その生活史と生態』, 福井県, B6判, 41ページ, 1992年3月, 発行所:福井県水産試験場(エビとカニの新刊図書紹介)
- 『日本産エビ類の分類と生態 I.根鯉亜目(クルマエビ上科・サクラエビ上科)』, 林 健一, B5判上製箱入り, 300ページ, 1992年6月, \15,000, 生物研究社(エビとカニの新刊図書紹介)
- 北海道北部周辺の短尾類及び異尾類について
- オヨギピンノTRITODYNAMIA HORVATHI NOBILI(十脚目,かくれがに科)の第1,第2ゾエア期幼生について
- イソカニダマシ(甲殻綱:異尾下目)の第一ゾエアとイソカニダマシ属のゾエアの特徴について
- オヨギピンノ(甲殻綱・カクレガニ科)の後期幼生について(分類・系統学)
- 日本産ベンケイガニ亜科(甲殻鋼・短尾類)の幼生について(分類・系統学)
- カギヅメピンノPinnotheres pholadis DE HAAN(短尾類,カクレガニ科)の第1ゾエア期幼生について
- ラスバンマメガニ Pinnixa rathbuni Sakai (短尾類, カクレガニ科)の後期幼生
- 紀伊白浜産のスナガニ科の大型メガロパについて(分類・系統学)
- 東京湾産オオシロピンノの第1期ゾエアについて
- 日本甲殻類学会とGordon博士(甲殻類研究の歩み,日本甲殻類学会50周年記念)
- 日本甲殻類学会と Gordon 博士