矯正歯科に来院した小学生における口唇閉鎖習慣について
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概要
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矯正歯科に来院した小学生における口唇閉鎖習慣の実態を明らかにするため、小学生33名(男子9名、女子24名)(7歳〜12歳、平均年齢10歳7か月)を調査対象として、問診・口唇閉鎖および口唇閉鎖力の検査をおこなった。その結果以下の所見が得られた。1. 問診結果から、口唇閉鎖習慣のない者が58%を示した。そのうちテレビを見ている時に口が開いている者が79%を示した。また耳鼻科通院者のうち、鼻疾患症状を呈する者が65%を示した。2. 口唇閉鎖の検査から、無意識下で3分間以内に口が開いた者は52%を示した。また口が開いた17人に口唇閉鎖を意識させたところ65%が3分間の口唇閉鎖を達成した。さらに、意識することで口唇閉鎖時間が無意識時にくらべて延長していた。このことから、口唇閉鎖習慣は口唇に意識を高めることで獲得できる可能性が示唆された。3. 口唇閉鎖力の平均値の大きさは、無意識検査で3分間の口唇閉鎖を達成した群(9.6N)、意識検査で3分間の口唇閉鎖を達成した群(8.6N)、意識検査においても3分間の口唇閉鎖が未達成であった群(7.1N)の順であった。意識をしても3分間口唇閉鎖が達成できず、口唇閉鎖力も弱い者は、口唇閉鎖の習慣を獲得する上での障害を明らかにし、耳鼻科的処置や、口唇閉鎖力を高めるための筋機能療法の実施等を考慮すべきと考えられた。
- 北海道矯正歯科学会の論文
- 2007-12-25
著者
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