大津市における障害の早期発見と療育システムの考察 : 要発達支援児への療育システムの試みを中心に
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概要
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乳幼児健診は当初から障害の早期発見だけでなく社会的子育ての窓口として機能し,その後の対応のシステムや子育て支援施策を切り拓く役割も担ってきたが,近年の行財政改革や社会福祉基礎構造改革はその発展を阻害する方向に働いている.そこで,まず地域保健法や障害者自立支援法の施行などの法改正や保健福祉予算の一般財源化などの国の動きが,地方自治体の施策にどのような影響を及ぼしたか,大津市の経過から報告する.そうした状況でも自治体施策により,法改正や国の施策の積極面やタイミングを活用して,地域で一貫した乳幼児健診や療育のシステムをつくる契機にすることは可能である.続いて,要発達支援児への対応を開始した経過とシステムの再構築の試みについて,大津市の経験を報告し,乳幼児期の発達保障について地方自治体が果たす役割を検討する.