子ども・子育て新システムと障害児の保育 : 子どもの権利保障の観点から
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概要
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政府が2013年度から導入を予定している「子ども・子育て新システム」の目的は,幼保一体化や待機児童の解消というより,増え続ける保育需要に対して公費をなるべく支出しないで対応できる仕組み(つまりは,公費を抑制し保育を市場化するための仕組み)を構築することにあり,その本質は,市町村が保育の実施義務を負っている現在の保育制度を解体し,介護保険や障害者自立支援法のような直接契約・利用者補助方式に転換するものにほかならない.本稿では,先行して直接契約・利用者補助方式が導入された障害のある子ども(障害児)の療育の現状を踏まえつつ,あらためて新システムの本質と問題点を指摘し,市町村の保育の実施(現物給付)義務を維持・強化し,療育についても市町村が実施義務を持つ仕組みに戻すことが,障害児も含めて子どもの権利保障のための最善の道であることを明らかにする.
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