ヒト脳の老化の諸問題;とくにアルツハイマー病について
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概要
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高齢化に伴う痴呆症の増加は深刻な社会問題となり、特に変性型痴呆、とくにアルツハイマー病に関しては、病因、治療法ともにいまだ不明なことが多過ぎる。本総説では著者自身の研究を含めて、先端領域に至る研究上の問題点を指摘した。アルツハイマー病の形態学的時系列で明らかになった老人斑や神経原線維変化の問題を、その細胞障害の帰着点であるニューロン死の問題でとりあげ、さらに発症に関係する遺伝子を家族性、孤発性両面により追求した。しかし、中核症状である痴呆がどの病変に関係するのか?、アミロイド形成とPHF形成は本当に相互に関係するのか?PHFを有する細胞数で細胞死を納得できるか?もっとも通常の晩発型孤発型アルツハイマー病のアミロイド形成は家族性アルツハイマー病同様A-β42分泌と関係があるとすると、apoEは異常蓄積物形成のメカニズムとどのようにかかわりあっているのか?よく分かっていない。
- 国際医療福祉大学の論文
- 2000-12-22