第2言語取得に関する神経生理学的研究-文献考察
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概要
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母国語(第1言語)のほかに習得あるいは学習する言語を第2言語と呼ぶ.第1章では,第2言語習得についての研究をそのアプロ-チによって6タイプに分類し,それぞれの研究成果と問題点について述べる.第1〜第4のアプロ-チは,言語そのものを研究の対象とする.第5,第6のアプロ-チは学習者の認知的および社会的側面から第2言語習得を観察する.どのアプロ-チに於いても興味深い研究結果が報告されているが,その背景にある第2言語習得のメカニズムの説明となると裏づけのない仮説に止まり,相反する研究結果や反対意見も多い.そこで第2章では,この2,30年の間にめざましく進んだ神経生理学からの情報を取り入れ,学習者の脳の仕組から第2言語習得を見ることを提案する.そして,試みにKrashenのMonitor Theory,バイリンガル現象,学習者間に見られる習熟度の違いという3点を例にとり,神経生理学的観点からどのような説明が可能であるかを論ずる.
- 国際医療福祉大学の論文
- 1997-08-31