多発肺アスペルギローマの1剖検症例
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概要
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背景.我々は,関節リウマチに対してステロイドと免疫抑制剤による内服治療中,多発肺アスペルギローマを合併した症例を経験した.肺アスペルギローマが多発した症例は過去の報告でも少ないため,今回報告した.症例.症例は89歳の男性.関節リウマチに対してプレドニゾロンとサラゾスルファピリジンを内服中であった.当院には発熱・呼吸困難を主訴に紹介受診,画像と血液所見から間質性肺炎,肺アスペルギルス症,細菌性肺炎の合併を疑い,メロペネムの点滴とボリコナゾールの内服治療を行った.ステロイドと免疫抑制剤の内服は継続した.その後,炎症反応と全身状態は改善と悪化を繰り返し,初診から約5カ月後,肺炎のため永眠された.病理解剖を行い,両側下葉に多発する肺嚢胞と嚢胞内にアスペルギルスの菌球および球菌による肺化膿症を認めた.結論.本症例の画像所見は非典型的であり,病理解剖および組織学的診断が有用であったため報告した.
- 2011-07-25
著者
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