Positive Politeness Strategies in Japanese High School English Textbooks : how much attention is given to the interpersonal aspect of language?(Memorial Volume of JACET 43rd Annual Convention)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文では、英語における対人関係機能としてのポライトネスの観点から、高校英語の教科書を分析し、さらに英語のネィティヴによって書かれたテキストとの比較を行った。特に、英語で良好な対人関係を築くのに効果的な方法であるとされるポジティヴポライトネス(相手との距離を縮めようとするポライトネス)を取り上げ、呼称(address forms)、共感的な応答(emphatic responses)、ジョーク、の3つのポジティヴストラテジーがこれらのテキストの中にどのくらい現れているかを考察した。結果、高校の教科書ではオーラルの教科書も含めて、どの項目も限定的であることが観察されたが、これはおそらく、そのようなストラテジーが日本語では対人関係構築の過程であまり使用されないことに原因があり、その意味で一種のpragmatic transferが起こっているためと考えた。英米語(Inner circleの英語)に英語のモデルを求める必要はないが、英語学習者が自ら選択(英米語式か日本語式か、あるいは他のスタイルか)できる前提となる知識を得るために、英語のポジティヴストラテジーが学習者に明示される必要性があろうと論じている。
- 社団法人大学英語教育学会の論文