製紙工場廃水で汚濁された河川の河床堆積物中における有機物の嫌気的分解(III.陸水の有機物汚染と水質変化)
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概要
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製紙工場廃水で汚濁された河川の河床堆積物中における有機物の分解に関する研究は保温実験によりおこなわれ,つぎのことが明らかにされた.1)メタンおよび二酸化炭素の生成は30℃に比べ15℃においては極めて低い.しかしながら,有機酸生成は15℃においてもかなり認められる.2)生成有機酸の主なものはプロピオン酸および酢酸である.3)炭素および窒素の無機化量は堆積物中の有機性炭素および窒素量にそれぞれ比例する.4)保温初期の有機性炭素および窒素量に対する炭素および窒素の無機化速度の地点間の差は廃水の流下過程における有機物の分解程度を反映する.なお,小論は1974年度地球化学討論会(学習院大学)で催された課題討論(環境問題と地球化学)の講演に若干の加筆をおこたったものである.最後に,ご指導ならびに有益なご教示をいただいた名古屋大学小山忠四郎教授,討論会の席上いろいろとご討議いただいた方々,研究の機会を与えていただいた愛媛大学伊藤猛夫教授にそれぞれ感謝する.
- 日本地球化学会の論文
- 1975-03-30
著者
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