日常生活自立支援事業の課題 : 成年後見制度との関係を中心に
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概要
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成年後見制度と日常生活自立支援事業の関係をめぐっては,これまでもさまざまな議論が展開されてきたが,学説上はいまだに明確な論理的整理が行われていない.本稿では,日常生活自立支援事業の利用者の意思能力の判定の問題を考察の中心におきつつ,両制度を「支援を展開する業務の軽重」によって使い分けるべきであるという主張を展開している.したがって,判断能力が最も大きく低下した利用者においては,両制度が同時並行的に本人のサポートを行っていく形が想定されることになるが,その場合には,財産管理に関しても身上監護に関しても,成年後見人が支援の中核に位置し,日常生活自立支援事業のほうはあくまでもそれを補完する関係にあるという整理を行っている.また,このような両制度の相互関係を踏まえたうえで,後見類型に相当する者の支援を本事業だけで行っている現場実務の状況は,早急に是正されなければならないという問題提起を行っている.
- 2011-05-31
著者
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