「環境ガバナンスの社会学」の可能性 : 環境制御システム論と生活環境主義の狭間から考える(<特集>環境ガバナンス時代の環境社会学)
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概要
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本稿では,環境ガバナンスが人口に膾炙する時代における,環境社会学の課題や役割について明らかにしていく。以上を明らかにするために,まず,環境社会学会の二大研究領域である<環境問題の社会学>と<環境共存の社会学>の代表的な研究として,船橋晴俊の環境制御システム論と鳥越皓之らの生活環境主義を取り上げ,それらの理論的射程を再検討する。そして,両者の議論と関連しながらも,その狭間に埋もれた環境ガバナンスに関わる新たな研究領域が存在することを指摘する。そのような研究領域では,以下の2つが主要な課題になる。(1)多様な諸主体が行う環境に関する定義(=状況の定義)が,錯綜し,衝突しながら,時に,特定の定義が巧妙に排除ないしは隠蔽され,あるいは特定の定義に従属ないしは支配されることにより抑圧されてしまう状況を,どのように批判的に分析するのか。(2)そのような問題を回避し,実際の環境問題にどのように実践的にかかわっていくのか。以上2つの課題を中心に,政策形成をも視野に入れながら,「環境ガバナンスの社会学」の可能性について検討を行う。
- 環境社会学会の論文
- 2009-10-31
著者
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