中国全土に推進される在宅介護サービス事業の現状と課題
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概要
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今中国では,高齢者人口が増加し,その福祉を取り巻く現状において,高齢者介護施設が少ないなどの点が問題となっている.とりわけ,収入の低い高齢者の多いなか,福祉環境整備が急務となっている.現在,中国の高齢者にとって最も有力な福祉サービスの方策として「在宅介護サービス事業」が政府主導により中国全土で実施されている.本論文は,ここ数年中国における在宅介護サービスの実施状況に関する調査研究を取り上げ,今後の在宅介護サービスの意義とその展開に必要となる課題について論じる.在宅介護サービス事業の展開においては,その財源確保が地方政府に委ねられている政策を見直し,経済格差が高齢者福祉の政策に及ぶことのないように注意を喚起する.また,在宅介護サービスの質的な向上に向け,高齢者一人ひとりのニーズに合わせたサービスが提供できるように,医療・看護・介護に携わる専門職,特にケアマネジャーやソーシャルワーカー等を適切に配置することが一つの鍵となることを明らかにしていきたい.
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