中国不法行為責任法における責任負担方法
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概要
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2009年末に制定された不法行為責任法は,被害者救済を前面に押し出し,差止を含む多様な責任負担方法を定める。同法の制定により,中国民法典の編纂作業が大きく前進した。しかし,民法通則における「民事責任負担方法」に由来する不法行為責任負担方法には,(1)各責任負担方法についての区別が曖昧であり,それについて類型化し理論的に再構成する必要があること,(2)その要件が明記されていないかまたは必ずしも明白ではないこと,(3)人格権法の制定をも視野に入れた場合,不法行為請求権と物権的請求権ないし絶対権請求権の関係を明確にする必要があること,などの問題点が残されている。理論的深化が待たれる。
- 2011-05-25