Distribution of Talk in First Encounter Conversations : A contrastive Study of Japanese and English
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概要
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コミュニケーション・スタイルは言語と文化が出会った産物であるといわれる。本研究ではコミュニケーション・スタイルを形成する要素のひとつである発話量の分布を検証した。会話おける発話量の差異が会話参加者の印象やラポールに影響を及ぼすことは社会心理学でも指摘されている。研究の対象となったデータは日本語母語話者(NSJ)による日本語会話、英語母語話者(NSE)による英語会話、およびNSJとNSEが英語で会話をする異文化間会話の3種類である。異文化間会話の参加者を除いて、会話参加者はすべて初対面であった。30分の会話の発話量を分析した結果、日本語会話では参加者間で発話量に顕著な偏りが見られ、他の参加者よりも多く話す話者(primary speaker)が存在していることが分かった。つまり日本語会話では聞き手と話し手の役割が一貫して固定されていたということである。しかし発話量の偏りは参加者間のラポール形成に影響を与えることはなかった。英語データでは発話量の偏りはみられず、どの参加者も平等に話す傾向が見られた。聞き手と話し手の役割交替が常に起っていたことになる。異文化間会話ではNSJが聞き手の役に徹して会話に参加しなかったとき、NSEはNSJに対してきわめて悪い印象を持つに至った。しかし聞き手に徹したNSJはNSEに悪印象は抱かなかった。英語母語話者同士の会話データのように話者交替が起り、発話量の均衡がとれた異文化間会話ではNSEもNSJもお互いに対して好感を持った。
- 2010-12-20
著者
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