非日本語母語話者観光ガイドに求められる日本語能力と評価の側面 : ツアーオペレーター社員への調査から
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概要
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先行研究によると、日本人観光客が日本語観光ガイドに求めるものは「接客態度」であり、次いで「充分な現地情報提供」、「観光地案内や説明」、「語学力」の順であった。しかしながら、観光ガイドにどのような日本語能力が求められているかについては、実証的な蓄積が少ない。本研究は、この問いを解明するため、マレーシアS州在住のツアーオペレーター社員6 名に半構造化インタビューを実施し、マレーシア人日本語観光ガイドに求められる日本語能力と評価の側面を考察したものである。M-GTA によるデータの分析・考察の結果、日本語能力試験旧3 級相当が日本語観光ガイドに求められている言語能力であることが明らかになった。また、ガイドと接触する人々が彼らの資質として評価対象とする側面は、ホスピタリティの有無、社会文化能力、障害除去としての役割を遂行する能力であることが示された。ホスピタリティの概念は幅が広く、どのように捉えるのが妥当であるかが今後の課題である。