巨大地震発生サイクルシミュレーション
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概要
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身近な現象である摩擦現象は、甚大な被害をもたらす地震断層運動においても、重要な役割を果たしている。地震学では、岩石の摩擦特性に関する実験が精力的に行われ、いくつかの摩擦構成則が得られてきた。このようにして岩石の摩擦実験から得られた速度・状態依存の摩擦構成則に基づく、プレート運動を駆動力とする地震発生サイクルシミュレーションが盛んに行われ、歴史地震の複雑な発生履歴の再現に成功するようになってきている。最近では、東北日本大震災をもたらした2011年東北地方太平洋沖地震の発生メカニズムの解明や、今世紀前半に発生し西南日本に甚大な被害をもたらすと危惧されている南海トラフ巨大地震の発生予測を目指して、地震発生サイクルシミュレーション研究が精力的に進められている。本講演では、この地震発生サイクルシミュレーションの基礎的考え方、物理方程式、大規模マルチスケールシミュレーションの必要性、HPC研究からの問題点など、研究の概要を報告する。
- 2011-09-29