CTによるAutopsy imagingが死因検索に有用であった新生児呼吸障害の一例
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概要
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症例は日齢0の女児。羊水混濁と呼吸障害から胎便吸引症候群を疑ったが、気管内挿管困難であった。低酸素持続による重度の新生児遷延性肺高血圧症のため手術室へも移動できず、日齢2にNICU内で気管切開術を施行したが全身状態が悪化し、日齢10に死亡した。生前は呼吸障害が重度で十分な画像検索が出来なかったため、病理解剖を勧めたが、承諾は得られなかった。しかし、CTによるAutopsy imaging (Ai) 等の承諾は得られた。CTにて舌骨レベルで右側に喉頭嚢腫と思われる15 mm大の嚢胞性腫瘤が気道を圧排するように存在し、喉頭鏡の所見と合致した。喉頭嚢腫はまれな疾患であるが、新生児呼吸障害を呈する疾患の一つで緊急を要することもある。生前診断は困難で、剖検によって発見された報告も散見される。 新生児の突然死や原因不明の際に病理解剖の同意が得られない場合でも、本児のようにAiによって死因が判明することがあり、その意義を認識すべきである。
- 2011-06-25
著者
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