屎尿経済の日英比較 : 物質循環論からの考察
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概要
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研究ノート(Note)本稿は、江戸時代の京都と比較しながら、18-19世紀のイングランド・リバプールで展開されたナイトソイル・エコノミーの歴史を分析する。なお、ナイトソイル・エコノミーとは、都市が供給した人の排泄物が金銭的取引によって農村で肥料として需要されるという、物質循環を活発化させる経済活動のひとつである。結論として、リバプールでは、自治体がナイトソイル・エコノミーの構築に大きな役割を果たしたことが明らかになる。Based on the theory of the material cycle, a night-soil economy is described as the recycling of night-soil in urban and suburban areas through monetary transactions. This article provides a historical account of the night-soil economy that existed in Liverpool from the eighteenth to the nineteenth century. A comparison between the night-soil economies of Liverpool and Japan revealed that the Liverpool Corporation played a significant role in the night-soil economy by promoting the treatment and transportation of night-soil.
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