中国進出日系企業の日本人駐在員に対するコミュニケーション教育
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概要
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本研究は,中国進出日系企業に勤務する日本人駐在員のコミュニケ-ション教育に関する研究である.近年,中国経済の発展に伴い,日本企業は積極的に対中直接投資を行っている.その一方で,異文化間における日本人駐在員と現地従業員とのコミュニケ-ションは,必ずしも理想的なものとはいえない.日本人のコミュニケ-ションスタイルが高コンテクストであることに起因する日本語の言外の意味,両者の文化スキ-マの相違などから,コミュニケ-ション・ギャップを引き起こすことは珍しくない.そのような問題に鑑み,本研究では面談や会議などで収集した事例から,日本人駐在員がとるコミュニケ-ションのあり方を考察した.特に問題が多いとされるコミュニケ-ション場面に焦点をあて,どのような表現が相手の誤解を招きやすく,相手に不信感を与えてしまうのかを考察する.また,こうした問題を明らかにした上で,日本人駐在員は現場でどのような表現を使用すべきかを提示する.本研究の目的とするところは,日本人駐在員に関する異文化間コミュニケ-ションのあり方を示すことにある.