論文におけるメタ言語表現について : メタ言語表現と論の展開とのかかわり
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概要
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本調査では、論文におけるメタ言語表現を「話題内容を表すメタ言語表現」(例:本稿では〜を考察する)と「方向づけを表すメタ言語表現」(例:次にOOについて見てみよう)の大きく2つに分け、それぞれのメタ言語表現がどのように論文内で使われているのか、「動詞の種類」「出現位置」「文末表現」を関連させながら考察した。調査の結果、序論や結論では「話題内容を表すメタ言語表現」がよく使われていた。序論では、これから始まる論について述べるためにル形が、結論では今までの調査を振り返って述べるためにタ形が使われていた。本論におけるメタ言語表現については、話題内容を表すメタ言語表現も使われていたが、方向づけを表すメタ言語表現が多く、またその表現に多様性が見られることが他の序論・結論と異なる点だった。なぜ本論で方向づけを表すメタ言語表現が使われているのかについては、この調査対象が人文系論文であったことがあげられる。つまり人文系の論文における本論では、考察→事例→意見など、論の流れがめまぐるしいからだと考えられた。
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