褐色細胞腫・傍神経節腫のダイナミックCTによる画像解析

概要

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2003年8月から2009年5月までに褐色細胞腫もしくは傍神経節腫と手術もしくは臨床的に診断されダイナミックCTが施行された25症例(男性16例、女性9例、平均年齢44歳)30結節について、形態学的、血流学的特徴を明らかすることを目的にCT画像を解析する後向き研究を行った。腫瘍の形態学的検討では、30結節中27結節(90%)の症例で小さな嚢胞状パターンを認め本腫瘍の特徴的なCT所見と思われた。本腫瘍は変性を多く認めるが、変性のパターンによって腫瘍を以下の4種類にカテゴリー分類した。カテゴリーIは均一な結節、カテゴリーIIは内部に嚢胞変性を有する結節、カテゴリーIIIは辺縁に壊死を伴う結節、カテゴリーIVは中心壊死を伴う結節である。カテゴリーIIIが15結節ありと全結節の1/2を占めた。また、形態学的検討に加え結節の血流動態も検討すると、3cm以上と3cm未満の結節では造影剤の排泄率に有意差を認めた。本腫瘍のCT診断の客観的評価として、画像所見を総合的にスコア化した結果、スコア4以上の症例が30結節中23結節であり、スコア化が本腫瘍の診断の一助になると思われたが、約20%の結節でスコアが4未満であり、今後、症例数を積み重ねた検討が必要である。
2011-08-25