繊維産業からみる地域経済発展の可能性 -岡山県の事例を中心に-
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概要
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要旨 グローバル化する日本経済のなかでもっとも検討されるべきテーマのひとつは、輸出主導型の経済成長に代わる新たな持続可能な経済モデルの提示である。金融危機後の景気後退にみられたように、グローバル化する輸出産業の収益の多くは日本国内の地域中小企業や国民に還元されておらず、消費の低迷がそのまま国内需要の低下になる悪循環に陥っている。こうした状況を変えていくためには大企業-下請の従来型の経済モデル、大都市-地方間の格差を併存する経済モデルからの脱却が求められる。本稿の課題は、日本経済における内発的発展の可能性を、繊維産業を焦点にあてて考察することにある。日本経済、その中核を担う地域に基盤を持つ産地の「持続可能な発展(sustainable development)」は、産地に内在する特性や地域資源を活かしたまちづくり、あるいは地域活性化の主体となる人材の交流と学習活動、中小から零細も含む多様な企業による情報共有を必要条件とする。したがって、大学など研究機関や行政・地方自治体の役割は、こうした産地に存在する様々な人材や企業などの主体をコーディネート・調整する点に求められる。
- 2011-07-31
著者
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