文化大革命と国際環境⑸ーベトナム戦争(中後期)と中米関係の改善を背景に
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概要
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要旨 本稿はアメリカ研修の結果の一部としてまとめたものである。目的はベトナム戦争の中後期における中米関係と文化大革命との関連性を考察することにある。具体的には、1、文化大革命の展開に伴う国内の混乱と米ソの重圧下にある中国と、ベトナム戦争の苦境に陥ったアメリカの現状を見ることによって、両国の関係改善の必要性は双方にとってどこにあったのか、2、対米政策の転換にあたって、毛沢東をはじめとする中国の指導部はどのような経緯をたどったのか、3、中国の外交政策の転換は文化大革命の展開に何の意味を持ったのか、を検討する。結論の一つとして、アメリカとの関係改善により、中国の国民はより現実的な視線から国家間関係を見るようになり、多くの人々は建国以来、とくに文革運動以来盛んに唱えられた階級理論を疑い始めた。その意味で、中国の対外政策の転換は国内の政治と社会の変化を導いていく役割を果たし、文革の終息に向かうための社会的雰囲気を作ったといえる。
- 2011-07-31
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