青年・成人障害者の発達的様相と子ども期の指導
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概要
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本稿では,青年・成人期を生きる障害者の姿を通して,子ども期の指導の在り方について考察することを目的とした.現在,文部科学省および経済産業省を中心に,すべての学校種にキャリア教育の推進が叫ばれ,障害児教育分野にもその流れは押し寄せている.そこで,障害児に対するキャリア教育について批判的に検討するとともに,作業所実践や余暇活動実践の中で,青年・成人障害者が学校卒業後どのような新たな発達的力量を示すかをとらえようと試みた.そこでは要求に基づいた活動に時間をかけ,集団的相互交流の中で多様な感情表出の経験を保障することによって,重度障害者も軽度発達障害者も,学生時代には示すことがなかった新たな力を獲得していることが示された.さらに,子ども期の発達を保障する学校教育実践を進めるにあたり,青年・成人障害者の発達を築く実践に学びつつ,その段階独自の実践の創造が求められることを指摘した.
著者
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