勤労男性の喫煙習慣と聴力障害
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概要
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男性勤労者の喫煙習慣と1000Hzおよび4000Hzの聴力検査異常(有所見)との関係を,横断調査により検討した.騒音職場勤務歴がある287名を含む1875名の対象では,非喫煙群,前喫煙群,喫煙群の順に聴力有所見率が高く,4000Hzでは有意な関連を認めた.重回帰分析でも,1000Hzおよび4000Hzの聴力有所見は年齢と有意で,明らかな関連を認め,1日喫煙本数が4000Hzの聴力有所見に弱いながらも有意な関連を認めた.しかし,両周波数の聴力有所見と騒音職場勤務年数には有意な関連がなかった.また,この喫煙習慣と聴力有所見との関連は,騒音職場勤務歴がある群では認めなかった.即ち,調査した職場の騒音職場勤務者では,騒音による聴力障害だけでなく,喫煙習慣が関連する聴力障害も抑制されていた.従って,騒音職場で実施する騒音に対する衛生教育と健康診断は,喫煙習慣が影響する聴力障害の予防に有効である可能性がある.
- 2011-03-01