「潜在的廃棄物」としての日本からの中古車輸出の展開(<特集>アジア経済成長のダイナミズムをさぐる)
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概要
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近年,日本から大量の中古車が世界中に輸出されている.本論文では,中古品やスクラップ素材等の流通の国際化とそれに伴って形成されたリサイクルネットワークの解明という経済地理学上の新しい研究課題を意識しつつ,日本からの「潜在的廃棄物」といえる中古車の輸出の現状とそのメカニズムについて検討した.具体的には,日本からの中古車輸出に関する歴史的区分を踏まえた上で,中古車輸出の「御三家」といえるロシア・UAE・ニュージーランドにおける流通メカニズムについて,主に統計資料の比較と既存文献,ヒアリングによる情報に基づいて考察した.結論として(1)日本からの中古車輸出先とその流通量については,輸入国側の規制による変動が大きいこと,(2)流通量をみる上で,日本では自動車が「左側通行」であるが,世界では「左側通行」を基準とする地域が限られていることに留意すべきであること,(3)輸入先ではその中古車を輸入本国で使用するケースと,あくまでも中継地として中古車を輸出するケースがあることが判明した.
- 2010-12-30
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