「経験交流」と造反運動の拡散
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概要
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本稿は,文化大革命期の造反運動が都市から農村へとどのように拡大していったのかを明らかにすることを目的とする。近年農村における文化大革命の実態が次第に明らかにされつつあるが,その拡散プロセスについては実証的な研究が行われていない。本稿では,陜西省の93県(1966年当時)を事例として,造反運動の拡散プロセスを実証的に跡付け,都市の紅衛兵による「経験交流」が中心的な役割を果たしたことを明らかにする。造反運動は,カリスマ的指導者による「大衆動員」や農村住民の「自発的な造反」によってではなく,主に都市の紅衛兵による「ブローカレッジ」(=「経験交流」)を通じて遠隔の農村へと拡大されたのである。
- 2011-03-25
著者
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- 「経験交流」と造反運動の拡散
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- ジョン・バイロン,ロバート・パック著, 田畑暁生訳, 岩波書店, 『龍のかぎ爪 康生(上・下)』, 2011年12月刊, 上284ページ, 下362ページ, 各本体価格1,115円+税