地域子育て支援センターの意義と課題-支援者による利用者との関係性の構築を中心に-
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概要
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本研究は、地域子育て支援センター(以下、支援センターと略す)を対象にして、支援者が親の要望の背後にあるニーズを把握しながら、親の自己決定を支え、親同士の「共に支え合う関係性」の構築にいかに関わっているのかという実践的課題を検討する。特に、子育ての矛盾や隘路を、母親たちが打開していくさまに着目しながら、そこに関わる支援者の実践の意義を解明する点に特徴がある。本論では、先ずA支援センターに通う利用者の子育ての困難について、母親への育児負担の集中、転勤、社会的孤立などをキーワードに概観し、次にそうした困難を抱えた母親達がA支援センターを利用する理由に支援者の利用者への関わり方が深くかかわっていることを明らかにし、最後に支援者の親への関わり方が親同士の関係性の構築に繋がっていくことを解明した。A支援センターにおける支援者の親への関わり方の特徴は、全人格を受け止め、人と人を繋いでいく点にある。「親として、人間として前向きになりたい」という願を実現する過程でもある。
- 2010-03-31