医師の勤務地によるへき地医療対策認識の差異-診療所医師調査自由記載欄の内容分析-
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概要
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目的:へき地医療対策の実効性向上のため,医師の勤務地による認識の差異を明確にする。方法:全国の診療所医師を対象に2005年に実施された「地域医療の現状と課題の地域間格差に関する調査(第2回)」(回答率53%)の回答者1820人のうち,へき地医療についての考えを尋ねた自由記載欄に記入した472人の回答について内容分析を行った。対象者を勤務地によって2群に分類し(都市141人/へき地331人),カイ2乗検定を用いて対策ごとに該当件数の割合を比較した。また,該当割合が高い対策の分布を群別に比較した。結果:都市で働く医師は,医師数確保やインフラ整備に関わる対策を多くあげたのに対し,へき地で働く医師は,診療能力の向上や多職種連携に関わる対策を多くあげていた。結論:都市で働く医師が提案した対策が医療の量的対策に偏っていたことから,へき地医療の質的充足の重要性についての意識向上が必要と考えられた。
- 2011-03-01
著者
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飯田 さと子
地域社会振興財団地域社会健康科学研究所 自治医科大学 公衆衛生学部門
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坂本 敦司
地域社会振興財団地域社会健康科学研究所,自治医科大学地域医療政策部門
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坂本 敦司
地域社会振興財団地域社会健康科学研究所 自治医科大学地域医療政策部門