ペナンの広福宮と華人公会堂に見る「華」の展開 : 誰にどのようにまとまりを示すか(<特集>移住先社会と中国のあいだで-近現代史における「華」を問う)
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概要
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中国国外に居住する華人が自らを華人として認識し,華人のまとまりを組織し,そのまとまりを外部社会に対して表明する契機として,しばしば中国との物理的・心理的距離や,中国からの動員・影響が重視される。これに対して本稿は,19世紀のペナンの事例を通じて,「華」としての自己認識・組織化・表明において,もっぱら地元の文脈・論理がその展開を規定していたことを示す。具体的には,1800年に設立された広福宮と1881年に設立された華人公会堂を取り上げ,それぞれの組織の設立の経緯と組織の名乗り方に着目し,華人が外部社会と自分との関係をどのようにとらえ,どのような関係を結ぼうとしていたかを提示する。
- 2011-02-25
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