バウハウスからブラック・マウンテン・カレッジへ : ヨーゼフ・アルバースの合衆国移住と基礎デザインの意味
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概要
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1933年の夏ベルリン・バウハウスの解散直後ヨーゼフ・アルバースはノースカロライナ州に創設されたブラック・マウンテン・カレッジに招聰され,合衆国に最も早く移住したバウハウス人となった。合衆国におけるアルバースの重要性は,その長期に渡る教育の実践活動を通じて,バウハウスの造形思想を広範囲に展開したことにある。しかしながら,ブラック・マウンテン・カレッジは造形の専門教育機関であったバウハウスとは異なり,リベラル・アーツの実験的な教育機関として構想されており,包括的な一般教育の必要性から,アルバースはその工作教育の課題を総合的な芸術問題の探究に置き,後に工作教育の名称を基礎デザインと改めることとなった。ブラック・マウンテン・カレッジにおける総合的かつ基礎的な造形教育に対するアルバースの関心は,この基礎デザインという名称に表されているのである。
- 1992-07-01