戦後の彫刻作品設置事業における目的の変遷 : 公的空間における彫刻作品の存在意義および性質について 3
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概要
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戦後の彫刻作品設置事業は,社会情勢の影響を受けながら継続的に推進され多様化してきた。現在の事業は,(1)景観形式,(2)地域の個性の表現,(3)文化振興というような目的に基づき推進されている。本報はこのような目的が形成される経緯ならびにそこに内在される問題について論じたものである。戦後の設置事業は大きく3期に分け,それぞれの期間の社会的背景ならびに設置された作品の傾向をふまえ,設置事業の目的を整理した。各期間の特徴は次の通りである。第一期(1950年頃から):当時の社会的価値観やイデオロギーやスローガンの表現が重視されていた。第二期(1960年頃から):彫刻作品の都市環境に対する景観形成上の機能が注目された。第三期(1975年頃から):第二期の景観形成に関わる目的に,地域の個性の表現や文化振興に関わる目的が付加され複合的な目的が成立した。一方,田園地域では地域振興に関わる目的が見いだされた。
- 日本デザイン学会の論文
- 1994-05-31
著者
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