低出生体重児の母親がもつ育児不安の要因の検討 : 子どもがNICU入院中と退院後の比較
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概要
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低出生体重児をもつ母親の育児不安に, 子どもが入院中と退院後に影響する要因を検討することを目的に, 2006年1月〜2007年10月の期間中, 102名の母親に育児不安に関する無記名調査用紙を配布した。児の入院中に回収できた72名の母親の平均年齢は31.0歳, 児の平均出生時週数33.6週, 平均出生時体重1,995gであった。退院後に回答のあった60名では, 母親の平均年齢は32.3歳, 平均睡眠時間5.8時間で, 平均出生時週数32.4週, 平均出生時体重1, 852.7g, 平均入院期間37.7日, 平均家族数3.8人であった。子どもが入院中に母親の育児不安に影響した項目は, 「生育環境」「母親の年齢」であり, 乳児の刺激敏感反応には,「核家族」「生育環境」「家族数」の影響力があった。退院後の母親の育児不安に影響した項目は, 「生育環境」「家族数」「両親の不仲の記憶」「睡眠」「家事」「入院期間」の影響力があった。乳児の刺激敏感反応には,「仕事」「睡眠」の影響力があった。子どもが入院中と退院後共に母親の育児不安に有意な影響力が認められた項目は, 「生育環境」のみであった。子どもが退院後に育児不安の影響要因が増加する前の入院中から母親が夫や家族に支援され, 医療従事者に自分の葛藤に気づき, 知識と育児技術のサポートも含めた親にされた辛いことを語れるようなカンファレンス支援が必要であることが示唆された。