助産師の専門性に影響する要因 : 分娩期ケアの実践能力に焦点をあてて

概要

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本研究は, 助産師自身の判断で行える助産の専門性の現状を把握し, 助産師の専門性に影響する要因として「自尊感情」と「仕事上の人間関係」の視点から明らかにすることを目的とした。A県内の大学病院・総合病院26施設に勤務する助産師を対象に, 無記名自記式質問紙調査を実施した。241名の回答を分析した結果, 以下のことが明らかになった。1)助産の専門性の現状は5因子に分かれた。「フィジカルアセスメント」が最も実践能力が高く, 一方で最も低いのは「搬送判断」であった。2)助産師の専門性に影響する要因は, 「自尊感情」にやや強い相関, 「仕事上の人間関係」に弱い相関がみられた。助産師の専門性は臨床現場のなかで日常的に経験しやすい助産ケアに実践能力が高かった。専門性を活かし質の高いケアを提供するには, 助産師の自尊感情を高められるよう, 職場の風土作りの確立が必要である。また, 仕事上の人間関係では, 助産師が何を大切にしたいのか言語化するという文化の醸成が重要であることが示唆された。