母となる意味 : 外国での出産体験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は, ホノルルに移りまだ異文化社会に慣れない時期に母になった日本人女性の出産経験が彼女たちの人生にもたらした意味を探求し記述することである。本研究は対象者の生きた経験の意味を理解し対象者の主観的な意識に焦点を当てる記述的現象学を用いた。対象者は10名でデータ分析はColaizziの分析方法を使用した。分析の結果, 次の4つのカテゴリーで表された。『外国で暮らすことへのチャレンジ』『母となることへのチャレンジ』『母になるゴールへ向かって』と『他者との新しい関係』であった。外国での出産経験は異文化適応だけでなく多くの身体的精神的困難をまねいた。ハワイの家族中心の社会環境は日本人カップルにとっては好都合であり, 夫とともに初めての出産を経験したことでより強い夫婦の絆を培い, 新しい命である児からの励まし, そして親や周囲への再認識と感謝の念が表された。また, 母になることで自分自身が新しい家族にとってかけがえのない存在であることを認識した。ホノルルでの出産経験は彼女たちの精神的な成熟を促し, 母親になったことを肯定的に受け止めさせていた。
著者
関連論文
- O-212 男性看護学生の母性看護学実習に対する意識(Group34 母性看護学教育,一般口演,第50回日本母性衛生学会総会)
- 本学における短期大学専攻科から大学選択課程への移行による助産診断・技術項目の到達度の評価 : 臨床指導者からの評価
- 母となる意味 : 外国での出産体験
- O-005 外国での出産にみる親業プロセスにおける男女の明らかな相違点(Group1 母性・父性1,一般口演,第51回日本母性衛生学会総会)
- O-283 異文化で父親となる過程とその意味(Group46 母性・父性,一般口演,第50回日本母性衛生学会総会)
- P1-113 状況判断力の向上にシミュレーション学習の試みとその学習モチベーション評価(学生教育V,ポスターセッション,第52回日本母性衛生学会総会)
- P2-133 OSCEリフレクション法から得られた助産学教育の課題(Group26 学生教育,ポスターセッション)
- P1-094 助産師教員の臨床能力の実態に関する研究(Group10 助産師・保健師等)
- P1-096 助産師教員の教育能力の実態に関する研究(Group10 助産師・保健師等)
- P1-095 助産師教員の研究・管理能力の実態に関する研究(Group10 助産師・保健師等)
- O2-097 女性における、妊娠・出産・子育てを経験しての新たなアイデンティティの形成(母性2,一般口演)
- O2-087 シミュレーション学習による状況判断能力の促進とよりよいケアの模索(学生教育1,一般口演)