物語の始まりと終わり : 笑いのプロは過去の経験をどう語るのか
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概要
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学習者にとって体験談を語るのは難しいとされている(木田・小玉2001)。本研究は日本語母語話者が過去の経験を語る際の談話(物語)の導入部と終結部を分析し、日本語教育への応用を考察する。Maynard (1989) の提唱する談話構造を用いて笑いのプロたちによる談話を分析したところ、導入部分には決まりきった表現が、終結部には異主体のタラやオノマトペなどが多用されていることが分かった。よって、学習者が過去の経験を語る際、聞き手を魅了できるような能力を習得するには、多用される文型や接続詞、指示詞が初級・中級のレベルから談話レベルで指導されるべきである。