唾液アミラーゼを用いたうつ病スクリーニングの有用性に関する検討
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概要
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我が国では年間3万人を超える自殺者が発生しており、その背景にはうつ病をはじめとする精神科疾患の存在も否めない。働く人を対象としたうつ病のスクリーニング調査は、職域におけるメンタルヘルス対策を進める上で有用な役割を果たすと考えられる。しかし精神科疾患の多くは、客観的指標に基づく確定診断が難しく、このために支援を必要とする人々を抽出することが困難であるという課題がある。そこで、本研究では、バイオマーカーである唾液中のアミラーゼ活性値をスクリーニング検査として実施し、従来からのうつ病スクリーニングに用いられている自己記入式の抑うつ質問票(BDI-II)との相関性を検証した。就労者を対象に調査した結果、アミラーゼ活性値の分散が大きく、BDI-IIとの相関を立証するまでには至らなかった。アミラーゼ活性値の測定にあたっては、唾液アミラーゼの日内変動や被検者を取り巻く環境要因による影響などを検討する必要が考えられた。
- 2010-03-01