間伐,枝打ちによる林内照度調節
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
我々が,特に,慣れ親しんできた林分は,スギ林,ヒノキ林とも単一な林冠層によって構成される一斉林である。このような林分は,林分閉鎖後,無間伐のまま放置すると,林内植生は貧弱となり土壌侵蝕,地力低下が進み,林地保全機能が低下すると考えられる。そこで,一斉林であっても,間伐の適切な実行によって,利用径級材の効率的な収穫を確保することが,木材生産を効率的にすると同時に,陽光の林内射入をある程度可能にして,林内植生を確保し,ある程度は林地保全機能も維持できると考えられる。更に,最近では,この林地保全機能を極力高めるために,複層林化の試みが進められるようになってきた。すなわち,造林事業では,複層林造成パイロット事業,治山事業では,水土保全機能強化総合モデル事業,重要流域保安林総合整備事業,生活環境保全林整備事業などで,複層林誘導を行ない,量的な木材生産と木材の形質向上を目指すとともに,水土保全機能強化,生活環境保全機能の維持強化を計ろうとする試みが,特定地域においては,極めて,積極的に進められろようになってきた。このような事業の実施対象林は,スギ林,ヒノキ林,アカマツ林,カラマツ林,広葉樹林,時として,モミ,ツガ,コウヤマキなどを混えた混交林で一様には扱えないが,本稿では,ヒノキ一斉林から複層林に誘導する場合に限って説明を進めたい。したがって,複層林化するというのは,先ず,一斉林から二段林にすることから始まる。つまり,一斉林を除間伐,および枝打ちによって,緩慢ながらも下木の健全な生長のために必要な林内相対照度にすることから始められる。下木の健全な生長と,下刈りの省略を,ほぼ,期待できる林内相対照度を仮りに20%とするならば,この相対照度になるよう初回の間伐,枝打ちが終れば,後は,植栽した下木の生長状況を見ながら,漸次,間伐,枝打ちを繰り返し実施して下木の健全な生長を確保しなければならない。したがって,最初の受先伐(間伐,枝打ちを総称)を,どのような基準にもとづいて,どのように実施するかが,最初の重要な技術的問題点である。そこで,本稿では,現在一斉林であるヒノキ林分について,どのようにして林内相対照度を20%に疎開したら良いかを検討した。
- 1985-06-30
論文 | ランダム
- 素材紹介 「べにふうき」緑茶のアレルギー症状低減作用
- 「べにふうき」緑茶の抗アレルギー作用の解明とそれを利用した製品開発
- 「べにふうき」緑茶
- メチル化カテキンの抗アレルギー作用と「べにふうき」緑茶の開発(プロジェクト・バイオ)
- 単純反復配列(SSR)マーカーを利用したチャの品種識別