中国植生の地理的分布の規則性(その1)
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概要
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中国に存在する多種多様の群落類型を検討してきたが,いまここでは960万余km^2の祖国の土地においてそれらが如何に分布しているか,それらの分布はどのような地理的規則に従っているかを検討しよう。周知のように,植生の地理的分布を決める二大要因は熱量と水分である。地球表面で熱量は存在する緯度の位置につれて変化し,水分は海洋からの距離の遠近と大気大循環や海洋流の特徴によって変化する。水分と熱量の結合は気候・植生・土壌などの地理的分布を導き,一面では緯度の方向に沿って帯状をなし規則的に交替し,別の面では沿海より内陸の方向に帯状をなし規則的に交替している。前者を緯度的成帯性と呼び,後者を経度的成帯性と呼ぶ人もいる。このほか場所の高度が増すにつれて気候・土壌と動植物もまた規則的に変化し,これが垂直成帯性である。外国のある人は,緯度的成帯性・経度的成帯性と垂直成帯性の三者が結合して一地区の基本的特徴を決定すると考えており,これがいわゆる"3方向成帯性学説"である。
- 森林立地学会の論文
- 1983-12-30
森林立地学会 | 論文
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