看護過程における看護者・患者間での認識の対立と相互浸透に関する研究 : 看護者の不全感の生成と軽減の過程の分析を通して
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概要
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研究者自身が展開した看護過程の分析を通して、そこに潜んでいた看護者と患者との間の認識の対立が浮きぼりになった。両者の認識の対立は以下の3点に集約されていた。1.「人並み意識を重んじる患者の志向」と「個人の生き方の多様性を前提とした看護への看護者の志向」との対立2.「優劣や上下の観念に対する患者の志向」と「看護者-患者間の対等性を前提とした看護への看護者の志向」との対立3.「組織体としての病院から看護実践を切り離すことはできないとする患者の考え」と「組織体としての病院の枠組みの限界にとらわれない継続看護への看護者の志向」との対立両者の認識の対立を浮きぼりにしていった全過程の考察を経て、看護者と患者との間の相互浸透を深めるための看護実践上の指針5点を仮説として得ることができた。
- 日本精神保健看護学会の論文
- 1996-06-01