曲がり角のカーナビゲーション : ランドマーク商品としての行方は
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概要
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日本発の新商品として1981年に誕生したカーナビゲーションシステムは,今日,約半数の車に装着されるまでに普及を遂げた。本研究では,その発展の歴史と商品特性,システムを支えるインフラや技術の状況を概観し,商品としての行方を展望する。誕生以来,高価なハイテク製品としてわが国独自の高機能化を遂げてきたカーナビが,今,曲がり角を迎えようとしている。情報通信技術の進展,とりわけ携帯電話やスマートフォンがGPS受信機能を持つことにより,低価格,さらには無料で高機能なナビとして使えるようになった結果,破壊的イノベーションが起こりつつある。また,「ユビキタス」,「クラウドコンピューティング」により,個人の居場所や,検索履歴,そして嗜好など,様々な情報が,端末の使用を通じてネット上の「クラウド」に蓄積されはじめている。「車」に付帯するランドマーク商品であったナビは,近い将来,「人」に付帯するものへと形を変え,あるいは「クラウド」の利用端末のひとつとなることで,個人の意志や行動を左右するまでのパワーを有する,新たな「ランドマーク商品」へと進化する可能性がある。
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