消費者金融業界をめぐる問題 : 連続する金融不祥事と消費者の考え方
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概要
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消費者金融業界は、平成18年度の上半期において、違法行為による行政処分とそれによる規制強化の動きに翻弄されたといっても過言ではないであろう。それは順調に拡大を続けてきた消費者金融市場に大きな壁として登場し、ストップをかけただけでなく、市場規模縮小をももたらすものとして、脅威として業界にとらえられているが、一方で業界は四面楚歌の呈となり、一方的に物事がすすんでいるかのごとく捉えられている。本稿は、この規制強化の動きの本来的な原因について、それが時代の要請からくる「利益拡大」にあることを指摘し、一方で消費者金融の利用者は業界を否定的には受けとめていないことをアンケート調査の結果から導き出している。故に今後、消費者金融業界は「利益拡大」ではなく、消費者との良好な関係を基盤として、新たなパラダイム(具体的には「法の精神への回帰」「顧客側に立ったサービス」「消費者の質的向上」)を構築していく必要性を提案するものである。
- 2007-09-30