米国におけるクレジットカウンセリングと債務者教育
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概要
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本稿は多重債務者の救済と教育のシステムについて、米国の専門家からのヒアリングに基づいて考察したものである。米国では多重債務者の生活再建のために、クレジットカウンセリングが行われている。消費者クレジットカウンセリングサービス(CCCS)のカウンセラーは相談者自身が解決案を見出すことができるように支援している。なかでも債務返済計画案(DMP)を策定する際には、相談者が自己診断できるように、また浪費癖を修復できるよう自力更生を促している。「債務者教育」は債務者に破産申し立ての前後における権利や義務を認識させ、同時に資金管理の改善方法を示すものである。1998年に消費者運動家、クレジットカウンセラー、金融会社、破産管財人、司法長官事務所、教育者、破産専門家の協力によって消費者破産債務者教育連絡会(CCBDE)が設立された。CCCS、CCBDEのいずれも、あらゆる人々が金融トラブルから脱却するために機能する非営利組織である。現在の日本は消費者破産の申し立てが急増するばかりである。米国と同様に、わが国においてもCCCSのカウンセリング手法による効果的なカウンセリング機関を築きあげること、債務者教育のプログラムを開発することが早急に求められる。
- パーソナルファイナンス学会の論文
- 2001-11-30
著者
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