急成長する中国クレジット消費の現状および潜在力
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概要
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本論文は、草生期にある中国の個人クレジット消費市場の現状および潜在力に焦点を当て、検討する。中国の経済改革がはじまり、20年あまりの歳月が経過し、ようやく現れてきた個人消費向けのクレジット市場は、短期間ですさまじい発展を見せた。その要因を分析すると、中国の国内的な要因と国際的な要因の両者が相まって、その発展を促していることが考えられる。国内的には、マクロ的な経済要因や国民経済体制の変革、国民の消費能力の向上、企業経営能力の成長などがあげられる。一方国際的な要因として、対外開放政策の効果で中国の経済が大きな影響をうけると同時に、中国の消費者のイデオロギーにも大きな変化をもたらしたこと、外国企業の中国進出に伴って、中国の消費財市場に激しい競争をもたらしたことなどがあげられる。本論文において、経時的に中国のクレジット消費市場の生成、発展要因およびその歩みを論述した上で、将来に向けての中国クレジット消費市場の可能性と課題を探ることを試みる。本論文は四章分けて、上記の目的を果たしていく。第一章「中国における個人消費の考え方およびクレジット消費の幕開け」は四節からなる。この章では、中国におけるクレジット消費に対する中国消費者の消費心理の変化について説明し、中国にクレジット消費手段を導入する必要性および導入の歩みについて、詳しく論及する。第二章「中国の個人クレジット消費の特徴およびクレジット・カードの発展状況」は五節からなる。この章においては、急成長している中国のクレジット市場の現状を説明し、なかでも中国の実情に従った実相の説明に努めることを試みる。第三章「中国クレジット消費の将来性」は七節からなる。中国のクレジット市場と諸外国の市場の比較をし、市場の可能性を探る一方、国内の金融インフラストラクチャーや、金融政策、そして国際競争などの要素が中国の市場にもたらす可能性についても分析する。第四章「中国クレジット消費発展の課題」は五節からなる。この章では、上記の三章の分析に基づき、中国のクレジット消費市場に存在し、また発生してくるであろうさまざまな問題を抽出して分析し、中国のクレジット市場の発展にたちはだかる障害をいかにして克服するかを探求する。
- パーソナルファイナンス学会の論文
- 2001-11-30