学習者相互の批評活動が書く行為にもたらす学習効果 : リレー批評を介した意見文の書き改めの実態を手がかりとして
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概要
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これからの国語科教育では,学習者相互の協同的交流活動を介した,ことばの学びを高める授業を計画・実践することが重要である。そこで,本研究は,相互批評活動を取り込んだ「書くこと」の授業において,書き手が他者の批評をどう調整しながらどのように書き改めを遂行するのかという,その学びの内容を明らかにすることを目指す。高校生の意見文とそれに対する批評言とを分析した結果,相互批評活動によって促される学びの内容,意義,課題が明らかになった。「書くこと」の学習に相互批評活動を取り込むことによって,多くの書き手は,他者の批評の調整を図りながら,もとの意見文を書き改めていた。書き手は,意見文の全体構成を見直しながら,他者の批評を取捨選択,変形,反転させて調整を図っていた。しかしながら,批評言が修正のための具体的な方向性を示すものとなっていない場合は,他者の批評を取り入れないまま書き改めるという事例も認められた。
- 日本教科教育学会の論文
- 2007-12-25
著者
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