小学校社会科における法関連教育としての憲法学習 : "VOICE"の憲法機能学習を事例として
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概要
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本稿の目的は,従来の小学校社会科の憲法学習が憲法の理念等を所与の物として捉え,表面的な知識のみの教授による閉ざされた認識形成を行う形式的な憲法学習となっていた問題点を克服し,それに代わるものとして社会における憲法の機能・性質を検討し,憲法の理念に基づいて法的社会的問題を解決する実質的な憲法学習(憲法機能学習)を明らかにすることにある。本稿では,アメリカ初等社会科で実践されている法関連教育"VOICE"の憲法機能学習を事例として取りあげた。"VOICE"では子どもたちに憲法の理念を個々人や社会の事実に即して考察させ,憲法の社会的な働きを見つけさせ,法的社会的問題解決に対する判断基準として法を活用し解決させ,憲法の社会的機能を習得させていた。二のような学習により,"VOICE"の憲法学習は,従来の小学校社会科における形式的な憲法学習を改善し,憲法の理念に基づいて民主主義社会を形成していく市民の育成がなされている点て,評価できるものであることを示した。
- 日本教科教育学会の論文
- 2007-03-20