ドイツの音楽科教育における社会的学習に関する研究
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概要
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本研究の目的は,ドイツの音楽科教育における,教科固有の教育的機能ではない,児童・生徒の日常生活において幅広く作用する教育的機能の位置づけについて,「社会的学習(Soziales Lemen)」に焦点を当てて明らかにすることである。ドイツ全16州の初等教育段階および前期中等教育段階の音楽科カリキュラムを分析した結果,ほぼすべての音楽科カリキュラムにおいて社会的学習の重要性が認められた。特に,従来の音楽科の学習領域を柔軟かつ包括的に扱うようなテーマ学習や教科の枠組みを越えた総合的な学習において,社会的学習が関与する度合いが極めて高いことが明らかとなった。この背景として,クラフキ(W. Klafki)の「鍵的問題」構想がドイツ全体の音楽科教育に広がっていることが示唆された。また,音楽科の評価規準にも社会的学習によって獲得された社会的態度や社会的能力が盛り込まれており,その重要性の高さがうかがえる。
- 日本教科教育学会の論文
- 2006-12-01
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